越国、紹興(第2日)
紹興といえば①魯迅ゆかりの地②紹興酒の産地ということがまず思い浮かぶ。紹興の観光スポットもそれらがメインだ。しかし、魯迅も紹興酒も僕らには興味がない。僕らの興味はというと紹興が春秋時代の越国(えつこく)だったということ。というのも正月に放映していた連続テレビドラマ「臥薪嘗胆(ウォーシンチャンダン)」(日本でいう大河ドラマ)に夫婦してはまっていたからだ。これは文字通り臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の成語のもとになったできごと、すなわち10年以上に渡り辛苦をなめた越王「勾践」(えつおう こうせん)が呉王「夫差」(ごおう ふさ)を討つまでの話。セットや衣装が華やかで勾践役の陳道明(チェンダオミン)の演技が特にすばらしい。紀元前4-5百年頃の話なので日本で言うと縄文末期にあたるのだからこの文明差に驚きだ。
僕らは朝一小雨の降るなか越国遺址へと向かった。そこには中国人の観光客すらほとんどいない。僕ら以外には一組見かけただけだ。別段大した場所ではない。小さな山の中にいくつか施設があり、簡単な越の歴史を説明してあるだけだが、興味深く読み進んだ。ただ、山の頂上から見下ろす街の景色はなかなかのものだった。「会稽(かいけい)の恥をすすぐ」の会稽山らしき山も写真に納めて下山、最後に越国の参謀“文種(ウェンジョン)”の墓にお参りして越国遺址を後にした。建築的にはろくな施設はなかったが結構満足していることに気が付く。ひとは背後に歴史、物語があるというだけで興味を引かれる。逆に言うと歴史や物語が無ければどんなに美しい施設つくっても誰も振り向かない。
その後は水郷の街を堪能すべく良さそうな通りを求めて歩き回った。自然なかたちというか建て替える資金が無いおかげで昔の街並みが今も日常として残っている感じだ。水路で洗濯や皿洗いをする女性や小船を漕ぐ男性といった光景を普通に見かける。八百屋、果物屋、金物屋、不動産屋・・・色々な店が軒を並べる古い商店街も地元の日常として立派に機能している。不動産屋の部屋の売り買い情報を黒板に記載しているのはなかなか合理的かつ趣がある。風情のある美しい街並みに心動かされっぱなしだ。途中周恩来(しゅうおんらい)旧居を訪れたが、さすが国民的政治家今でも人気が衰えていない。次から次へと観光バスがやって来る。杭州のホテルも予約済みだったので一泊しかしなかったが、2-3泊予定に入れておけば良かったと少し後悔しつつ長距離バスに乗り込んだ。
越国遺址入場料 8×2人=16
昼食 15
周恩来故居入場料 18×2人=36
バス(紹興→杭州) 23×2人=46
杭州市内バス 4
杭州市内地図 4
夕食 72
コーヒー 45
宿泊費/日 438
計 676RMB(=10140円)
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