2007.5.15 張公洞(第21日)
友人宅にある無錫(むしゃく)のガイドブックに載っていたある洞窟の写真に妻が反応した。「“笑傲江湖”(シアオアオジアンフ)に出てきた景色だ!」どうやら、侠客時代小説作家である金庸(ジン・ヨン)原作の連続テレビドラマ「笑傲江湖」に登場するロケ地ではないかというのだ。僕もこのTVドラマは見ている。個人的には「笑傲江湖」の原作は読みやすくて面白かったが、TVドラマの方は今一つだった。言われてみるとこんな洞窟だった気もするが、それ程記憶がはっきりしない。この辺りの妻の観察眼と記憶力には敬服する。敬服はするが、ドラマのロケ地なんて興味が無い。
この洞窟は張公洞(ジャンゴンドン)と呼ばれ、宣興(イーシン)市から20km程の郊外に位置する。宣興は無錫から車で一時間ほど離れている。つまり、ここ無錫から行くのは結構大変。たかが洞窟へそれ程エネルギーをかけて行くなんて価値ないよね・・・。友人奥さんが「行ってみようか。」まさかの一言。
無錫駅から宣興へ向かう長距離バスに3人で乗り込んだ。宣興(イーシン)へ着くと張公洞へ向かう路線を教えてもらって再びバスに乗り込む。予想通りオンボロのミニバス。しばらく走ってから道の脇で停まってしまった。運転手の兄ちゃんが携帯で何やら怒鳴っている。いやな予感がする。「今どこだ!早くしろ!」 どうやら弟たちが来るのを待っているようだ。しばらくして若い男の子と女の子が走ってきた。やっと出発。さすが公私混同の中国、まあミニバスだし、よくあること。
乗り心地の悪いミニバスでかなり走ってようやく着いた。辿りつくまでにすっかり疲れてしまった。辺りは何もなくさびれている。洞窟自体訪れる人がほとんどいないようだ。近所の暇な人たちが洞窟の入口で何するでもなくたむろしている。チケットを買って中へ入る。ちょっと胡散臭いが、隣で懐中電灯をレンタルした。
中はかなり広く、洞窟としてはなかなか悪くない。ただ、これといって書き記すことも無い。「やっぱり、ここだ!」妻は少し興奮気味。友人奥さんもそれなりに楽しんでいるようだ。思った通り懐中電灯は別に無くても困らなかったが、まあいっか。
帰る途中に紫砂壷(ズーシャーフー)の博物館に寄った。紫砂壷とは紫砂という土でつくった茶壷(急須のこと)で、ここ宣興(イーシン)市だけで生産されている工芸品。茶色い茶器で全体的にツルッとした形状だが、色々な装飾が付加されたものも多い。この急須でお茶を入れるとアクや渋味を除いてくれるとされ、最高の茶具と言われている。無数に空いた気孔がアクや渋味を吸着しながら保温性を高めるそうだ。
宣興から無錫へのバスは、行きは1時間ほどだったのに、2時間以上かかったのではないだろうか。市と市を結ぶ長距離高速バスのはずが途中途中で乗客を拾い続ける。少しイライラしたが、ここは中国。昔福建省の福州からシンセン行きの長距離バスに乗って散々だったのを思い出す。乗客を増やすために福州市内をあちこち廻ってなかなか高速に乗ってくれない。運転手と組んで街中で乗客を探す手配師までいた。おそらくこれらの運賃はバス会社には渡らず、彼らが山分けしていたのだろう。宅配便の代理のようなこともやっていた。もちろん予定時刻には到着せず、おまけに意味分からず、直通バスに乗ったはずが、途中で他のバスに乗り換えさせられた。
市内バス 26
バス(無錫⇔宣興) 39×2=78
洞窟入場料 70
懐中電灯レンタル 16
博物館 40
コーヒー 40
夕食 97
タクシー 10
計 377RMB (=5655円)
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