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嘉興、煙雨楼(第20日)

 次の目的地は無錫(むしゃく)、ただ、その前に嘉興(ジアシン)に寄ることにした。嘉興(ジアシン)はせっこう省のそれ程大きくない町。日本人観光客もほとんど訪れることがないだろう。金庸(ジンヨン)の侠客(きょうかく)小説「神雕英雄伝(シェンディアオインシオンジュアン)」のワンシーンの舞台となっている嘉興の煙雨楼(イエンウーロウ)という建物を妻が見てみたいという。中国語圏内に数多くいる金庸ファンの中では有名な場所のようだ。金庸の小説に登場する中国の名所を紹介する「金庸地図」という本まで出版されており、いつの間にか我が家の本棚にも一冊置いてある。

 煙雨楼(イエンウーロウ)は嘉興の唯一の観光名所である南湖(ナンフー)の中央の小島に建っている。南湖は1921年に共産党の誕生が宣言された場所として知られている。煙雨楼は五代十国時代940年頃湖のほとりに建てられ、名前は唐代の詩人杜牧(とぼく)の詩にちなんでいる。どんな詩かは知らない。中国を旅していると名所旧跡の建物や各部屋に妙に趣のある名前がつけられているのに気づく。それらは漢詩の一節から引用されていることが多く、有名な人物によって書かれた額が正面に掲げられている。中国の文化人は実に風流だ。漢詩や書に造詣が深いと中国旅行が何倍も面白くなることだろう。1584年に湖の真ん中に島をつくる土木工事が実施され、翌年そこに煙雨楼が再建された。後、清朝の乾隆帝がこの眺めに魅せられて、現在世界文化遺産にも登録されている承徳(しょうとく)の避暑山荘(ひしょさんそう)に再現された。

Yanyulou 気が進まないまま妻にしぶしぶついてきたせいか、嘉興では何も感動がなかった。僕の眼にはこれといって特徴の無い町に移り、南湖や煙雨楼も特に美しい景色には思えなかった。乾隆帝は一体何に惹かれたのだろうか。もしかしたら、煙雨楼も新しく再建されたものかもしれない。あまり趣が感じられなかった。南湖の入場料は一人60人民元(900円)。中国の他の多くの中途半端な観光スポットと同じように人工的に自然を整備して無意味な施設を建設して観光客から何とかお金をとる仕組みをつくっただけに見える。妻を急かしてとっととバス停に戻り、友人夫婦のいる無錫へ向かった。

 夕方無錫に辿り着くと電話でバスの番号を教えてもらい、友人宅へ向かった。今夜から彼らのところに世話になる。友人はありがたい。彼らはもともとシンセンでのテニス仲間で、奥さんがピシッピシッとだんなをやりこめる非常にゆかいな夫婦。中心から少し離れた静かな住宅街のベニス花園と呼ばれるちょっと恥ずかしい名前の場所に住んでいた。

(蛇足)

後で調べると金庸の「神雕英雄伝」のことで勘違いしていた。煙雨楼は小説の中の登場人物全真七子の丘処機と江南七怪が飲み比べを行い、18年後に再会を誓ったレストランだと思い込んでいた。しかし、それは酔仙楼という名前のレストランだった。丘処機と郭靖が酔仙楼で出会った後に、主だった登場人物がほぼ全員集合して戦いが繰り広げられる場所が煙雨楼だ。どうりで煙雨楼の中に入ってもピンと来ないはずだ。酔仙楼が今もあるのであれば、そっちの方が見たかった。

バス(西塘→嘉興) ×2=12

バス(嘉興→無錫) 43×2=86

路線バス                         14

昼食                            16

ジュース                          6

南湖入場料   60×2=120

計                         254RMB (=3810円)

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