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上海博物館(第12日)

 今日は丸一日博物館で過ごすと決めた。上海博物館は人民公園の南に位置し、床面積38,000㎡を有するかなり大規模な近代施設。中はテーマごとに分かれており、青銅器、彫刻、陶磁器、書、絵画、玉、貨幣、印、家具、民族工芸と多岐に渡っている。特に青銅器、陶磁器、書画のコレクションは世界的に有名。建築自体もそれなりの評価を得ているようだが、外観は現代建築としてはあまりほめられたデザインとは言えないと思う。全体的に中国の大規模公共施設に共通する意図的と思われる威圧的なデザインである。下部が方形、上部が円形の構成となっているが、これは天は円く、地は方形であるという「天円地方」と呼ばれる古代中国の宇宙観を示している。横から見た姿は青銅器の「鼎(かなえ)」がイメージされているそうだ。ただ、内部は中央の吹き抜けの周囲に各展示室が広がるという分かり易いよくできた構成となっている。

 入場料は20RMB(300円)と安かったが説明ヘッドホンが40RMB(600円)と少し高かった。というより中国語、英語、日本語でそれぞれ値段が違うというのが気に入らなかった。もちろん日本語が一番高い。ただ、ヘッドホンのおかげで展示が理解しやすく十分楽しむことができたのも事実。展示はかなり充実しておりテーマごとに10程に分かれている。中でも個人的に興味のある陶磁器の展示を中心に回った。陶磁器の展示はよくできた構成で、各時代の流れが理解しやすかった。当然のことであるが、工芸品と時代背景は密接に関係している。唐代や清代の繁栄して安定した時代には質の高い陶磁器が数多くつくられている。

 唐代といえば唐三彩(とうさんさい)が有名だが、白・緑・褐色の三色の調和が素晴らしい。俑(よう)と呼ばれる副葬品が多いが、写真でよく見かける三彩馬は予想より大型でかなり迫力がある。釉薬が流れて互いの色が混じったところに妖艶な美しさがある。完全に意図してできたわけではない色の混じり具合が良いのだろうか。やはり装飾に緑色が入るとなんとなく中国的な雰囲気になる。

 明代の官窯(かんよう)を経て、康熙帝(こうきてい)、雍正帝(ようせいてい)、乾隆帝(けんりゅうてい)清朝最盛期に景徳鎮(けいとくちん)陶磁器が最高水準に達したと言われている。もちろん現在も景徳鎮は陶磁器の代名詞、妻も景徳鎮に行きたいとよく騒いでいる。博物館にもその時代のものが最も多く展示されている。白地に青が美しい青花(せいか)磁器はいかにも中国陶磁器の気品を感じさせる。陶磁器の裏側には各時代が刻印されている。清朝盛時の後半にあたる乾隆帝の頃にもなると何でもありの実験的で派手な作品が多い。個人的には康熙帝と雍正帝の頃のものの方が上品で好きだ。

 青銅器館では越王(えつおう)勾践(こうせん)の剣を探したが、見つからなかった。中国のどこかの博物館に収蔵されていると聞いた覚えがあるが、ここではないようだ。越王勾践が使用していたと言われる青銅剣が1965年出土されている。発掘当初錆びが全く無く、2千数百年を経た現在でも紙を裁断できる切れ味を保持していたことで話題になったそうだ。いつか本物を見てみたい。

 途中お茶休憩しただけで昼食も食べずに本当に朝から夕方まで丸一日いたのだが、展示面積が非常に広くて全てはとても観きれなかった。なかなか内容のある博物館なのでまた今度改めて来たい。

地下鉄                           12

博物館                (20+40)×2=120

お茶                             60

コーヒー                          67

計                         259RMB (=3885円)

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