かつての富豪の町、南潯(第7日)
鳥鎮(ウジェン)は古鎮(旧市街のこと)以外何もない町だったが、南潯(ナンシュン)は繁華街もある普通の現代の町だ。バスの運転手に古鎮への行き方を教えてもらい、バックパックを背負ってとぼとぼ歩き出した。思ったより遠くて疲れたが無事古鎮エリアに入った。妻が前もって調べていた“留蔭廬(リュウインルゥ)”という古い民家を改装したところに泊まった。一泊150RMB(2250円)、安心する響きの値段だ、やっぱり鳥鎮に泊まらなくて良かった。さっそく主人がお茶を入れてくれて雰囲気が良い中庭でしばしおしゃべり。オーナーは数年前に脱サラしてこの家を買い取って宿泊施設に改装したそうだ。なかなか先見の明がある。現在中国は空前の観光ブーム、古鎮をめぐる旅も流行っている。主人によると鳥鎮は北京オリンピックで集まった外国人観光客を連れてくることを狙っているらしい。「鳥鎮のような変な開発はいずれ淘汰される」と話していた。僕は逆に5年後か10年後に一体どうなっているのかをまた来てこの目で確かめたい。シャワーは快適とは言えないが部屋にも伝統家具の花彫床(透かし彫りのあるベッド)が備えてあり、結構満足。
南潯は明清朝時代にシルク産業で巨万の富を築いた富豪が軒を連ねていた。具体的金額は覚えていないが、●●以上の資産を持つ家を“象” 、▲▲以上の資産を持つ家を“牛”という呼称があった。「四象八牛」という表現があり、南潯には8軒の大金持ちと4軒の超大金持ちがいたということ。中でも屈指の大邸宅の張石銘(ジャン・シーミン)旧邸などは敷地面積4000㎡、5つの中庭と150にのぼる部屋を有している。当時、上海のかなりの不動産も南潯の富豪が所有していたという。しかし、日本の紡績業が栄えると、シルク産業と共に街も衰えていったそうだ。
小雨の中かつての富豪の邸宅などを見学しながら街をのんびり散歩した。雨の景色が水郷の街がよく合う。かなり成金趣味の邸宅もあるが、前庭、ホール、中庭、ホール、後庭と続く京町家を大きくしたような基本構成は単純明快な合理的プランであり、快適な居住環境を提供している。街はそれほど大きくないが居心地がよいのでもう一泊することにした。
昼食 40
南潯入場料 60×2=120
三輪タクシー 4
宿泊費/日 150
計 314RMB (=4710円)
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