2007.6.4 いざ、ラサへ高原鉄道(第41日)
いよいよチベットのラサへ向けて出発。6時45分発の列車なので、早朝にホテルをチェックアウトしてタクシーで西安駅へと向かう。心が躍る。あこがれのチベットへ、夢の高原鉄道に・・・。後で思うと観光シーズンでないとはいえ、ラサ行きチケットがよく手に入ったものだ。ホテルで教えてもらった西安市内にある普通の鉄道チケット販売所で問題なく購入できた(出発日を予定より何日か後にずらしたが)。手数料が5元(75円)かかったのみ。チケット代自体は一番良い席の一等寝台で一人972人民元(14580円)。それ以外に保険代が20元くらい必要だった気がする。僕らが乗る列車は、重慶発ラサ着のT223。Tというのは特快(Tekuai)のTだろうか。重慶を19時42分に出発して翌々日の17時21分にラサに到着する。全工程で45時間39分。そのうち、西安からラサまでの35時間36分乗車することになる。こんなに長時間鉄道に乗るのは人生初かもしれない。列車の旅というのはワクワクする。個人的には船と列車というのが旅の気分を倍増させる。
6時30分に列車が到着して座席まで乗務員に案内してもらう。二段ベッド2つの4人部屋。4人で旅行するとちょうど良い。片方の二段ベッドの上下を僕らが占める。ベッドの上段は窓の景色がちょっと見難い。昼間の大半は2人して下で過ごすことになる。一人旅で上段の席になるとつらいかもしれない。列車がゆっくりと走りだした。残りの2人の乗客が乗ってこない。ラッキー、4人部屋に2人。快適だー!
しばらく走ると、乾いた大地の景色となる。これが中国の内陸の風景か。当たり前だが、同じ自然でも日本の風景とは全く違う。雄大な山々が続くが、その山には木々がない。日本が水と緑に驚くほど恵まれていることを改めて認識する。そんな大地にも畑や田んぼ、人家が散らばっている。人間はたくましい。
走り出して1時間半後の8時18分に宝鶏(ほうけい、Baoji)に停車。あまり聞いたことがない都市だが、鉄道路線が交わる基点になっている。北へ向かえば銀川(ぎんせん)、南へ向かえば成都(せいと)へと行くことができる。さらに5時間後の13時17分には蘭州(らんしゅう、Lanzhou)に停車。ここは、シンセンでもランチによく食べている蘭州ラーメンの蘭州ではないか。蘭州ラーメンの看板を揚げている店は中国各都市に多くある。安くておいしく、ボリューム満点。大体一杯5、6元(90円)で食べることができる。蘭州名物ではないが、同じ店で僕の好物刀削面(とうしょうめん、Daoxiaomian)も食べることができる。ラーメンを作っている彼らはこんな遠くから来ていたのか。
いつまでも続く景色。じっと眺めていても意外と飽きない。砂漠化を防ぐためか、植林している地域が目立つ。日本では樹木は自然に存在するもの、ここでは樹木は人工的に植えるもの。
蘭州から3時間後の16時25分西寧(せいねい、Xining)に停車。ここは中国最大の塩水湖である青海湖(せいかいこ、QinghaiHu)があることで有名。この駅でどっと乗客が増えた。車両が急に賑やかになる。僕らの部屋にも残念ながら残りの乗客が乗ってきた。4人部屋を2人で占拠するぜいたくはここまで。ラサまでのルームメイトは10人くらいのツアーに参加している日本人のおじさん2人。NHKで放送されたこの青蔵鉄道(せいざんてつどう、中国語では青蔵鉄路QingzangTieluという)の特集番組を見てツアーに参加したという。
青蔵鉄道は僕らが乗る約一年前の2006年7月に開通した。世界で最も高い場所を走る高原鉄道だ。タングラ駅は海抜5000mを越える。工事の困難さは計り知れない。多くの新技術の他、動物用通路をつくるなど生態系維持への配慮が話題となった。一等寝台は2車両のみだが、その乗客の半分くらいが日本人とドイツ人で占められた。後で聞くとドイツ人たちもツアー旅行とのこと。欧米人はあまりツアー旅行をしないイメージがあるが、ドイツ人は例外のようだ。
タクシー 12
鉄道(西安→ラサ) 995×2=1990
昼食 30
夕食 30
計 2062RMB(=30930円)
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