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グランド・ハイアット上海(上海出張)

 著名建築家K氏が中国の中規模都市の地区計画プロジェクトをやっており、その会議に同席するために僕もやってきた。Kさんのおかげでその晩はグランド・ハイアット上海に泊まることになった。

 グランド・ハイアット上海は浦東(プードン)の金茂(ジンマオ)ビルの53階から87階に位置している。世界で一番高いホテルと言っても良いかもしれない。33層の吹抜けアトリウムが圧巻。ビルの88階は展望台になっており、昔そこからこの吹き抜けを見下ろした覚えがある。展望室内は無造作に現れた鉄骨がじゃまだった記憶がある。ちなみに金茂ビルの鉄骨工事は僕が昔在籍していた新日鉄が施工している。新日鉄はかつて上海や香港を中心に海外で数多くの鉄骨工事を手がけていたが、香港空港をはじめとする赤字プロジェクトが続いて海外撤退を余儀なくされた。猛烈な経済発展を続ける中国に多くの企業が進出し始めた時期に撤退するという皮肉な結果になった。日本人や中国人の多くの優秀な人材が力を発揮する機会を失ってしまったのは非常に残念な気がする。企業経営はつくづく難しい。

 少し遅めにチェックインした我々は部屋に荷物を置いて、早速バーで一杯飲むことにした。そう、やはりあのアトリウムの下のバーへ行かないわけにはいかないだろう。つい、馬鹿みたいに吹抜けを見上げてしまう。このサイズのアトリウム空間は体験したことが無い。規模の勝利。やっぱりすごい、あっぱれだ。ときどきアトリウムを見るために宿泊客らしき人たちが店を横切るが、よく見ると客は僕ら2人だけのようだ。動線計画が悪く、お店の場所が分かりにくいためだろうか。ただ、この場所がホテルの最大の売りであることは間違いない。

 僕らが飲み始めると二胡、琵琶、ピアノ、ベースの4人編成の生演奏が始まった。伝統楽器でポップスを演奏するという一時期流行った「女子十二楽坊」のような雰囲気だが、演奏は女子十二楽坊より上手だった気がする。二胡と琵琶を演奏する女性2人はチャイナドレスに身をまとって華やかだったのだがピアノとベースを演奏する男性は2人ともスポーツ刈りの冴えない風体だったのが残念。せっかくのポテンシャルがもったいない。また、客が僕らだけだったためにずっとこちらを向いて演奏されるのには参った。音楽も心地よい、非常にいい時間を過ごした。

 エレベータを降りて客室へ向かう廊下はこの大きな吹抜けに面している。手すりも低く、廊下から見下ろすとちょっと足がすくむ。この廊下からモノを落としたら大変なことになる、よく実現したものだ。反対に細かいことばかりを気にしていては新しいものを創ることはできないということなのだろう

 客室内は玄関、寝室、洗面の3つのスペースに分かれているが、扉が一枚も無く、スムーズなつながりが気持ちよい。寝室と洗面の壁一面が足元からガラスとなっており、外の景色を大きく切り取っているバスタブに浸かりながら景色を楽しめるので、夜と朝の2度も風呂に入ってしまった。

Dscn0399Dscn0372Dscn0394    僕が「早く自分でもこんなところに泊まれるようにならなくては。」と言うと、「自分で泊まっちゃダメだよ。」とKさんに言われてしまった。よし、クライアントが僕にデザインを頼むために最高級ホテルに案内するようにならなくては

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