お茶買い(シンセン訪問)
シンセン訪問2日目、午前中にまず、お茶を買いに出かけた。これも今回のシンセン訪問の目的の一つ。妻に「ここでお茶を買ってきて」とお店の名刺も持たされている。家で飲んでいるウーロン茶がほぼ無くなってしまった。我が家では主に中国で買ったウーロン茶と日本の緑茶を飲んでいる。中国の杭州(ハンジョー)辺りを旅行中に有名な緑茶の西湖龍井(シーフーロンジン)を飲んだが、緑茶は日本のものの方がおいしい気がする。シンセンに住んでいた頃に妻がいつも買っていた羅湖(ルォフー)の三島中心にあるお茶屋さんへ向かった。僕も1,2度妻と共に来たことがある。3階のエスカレーターを昇ったすぐ正面にある「福建武夷山百岩茶廠」というお店。
始めは若い女性2人しかいなかったが、しばらくして以前会った店の女性オーナーがやってきた。本当かどうか怪しいが、僕ら夫婦のことも覚えていると言う。お茶について教えてもらいつつ、試飲しながら世間話をする。息子が今大阪に留学中らしい。「会計と経済ならどちらの勉強をするのが良いと思うか?」「本当は理系の方が食いっぱぐれがなくて良いのだが・・・。」「娘も日本へ行きたいと言い出しているが、その価値があるか今見極め中。」「父親は娘の日本行きに反対している。」などなど万国共通親の悩みを漏らしていた。子供2人を留学させられるとは結構儲かっているようだ。
お茶についても色々教えてもらった。烏龍茶の収穫時期は年に2回春と秋で、今出ているものは去年の秋に採れたものだそうだ。お茶を飲むときは、すぐに飲み込んでしまうのではなく、口の中全体に一秒含ませてから喉を通すと良いらしい。大紅袍(ダーホンパオ)という武夷岩茶の一種を薦められて試飲してみた。ちょっとくせのある味だが悪くない。“覇気(バーチー)”という表現をしていたが、このお茶を飲んだ後には他のお茶が飲めなくなるという。大紅袍は生産量が少ない貴重なお茶で、歴代皇帝に献上されていたようだ。他の予定もあり、早く切り上げるつもりだったのだが、結局2時間ほどもお茶をすすっていたことになる。
観音王(グァンインワン、高級鉄観音)を6斤(3kg)と大紅袍(ダーホンパオ)を2斤(1kg)、どっさり買った。紫砂壷(ズーシャーフー)に注いでから飲んだ方がおいしいと、紫砂壷の急須を一つと更にグレードの高い観音王を少しおまけしてくれた。「この観音王と大紅袍は貴重だから他人にあげずに自分たちで飲みなさい」と言われた。ちょっと買い過ぎかもしれない。持ち帰るのが相当大変だ。
「本当は○○元する良いお茶だが、○○元にしておくよ。」とオーナーの言うままの値段で買った。最終的な値段は他の店より多少高いかもしれないが、ここではとんでもない値段をふっかけてくることがない。そのせいか日本人や韓国人の客も多い。中国の街中でものを買うときは、僕も基本的には頑張って値切る。ただ、値段交渉するのはやはり面倒。値切るというのは何はともあれ、相手を疑ってかかること。値段もそうだが、中身が本物かどうかについても常に疑うより、信じる方が幸せだと最近考えるようになってきた。それにはまず、信じる店や相手を見つけなければならないのだが・・・。
午後はかつて一緒に仕事をした地元設計事務所のCさんを訪問した。彼らの事務所は今回の金融危機の影響が少なく、いまだ多くのプロジェクトをこなしているようだ。ただ、来年以降の先は全く見えないと言う。「これを機にもう少し落ち着いてものづくりができるようになれば良いのだが」とも洩らしていた。しかしながら、住宅の仕事を主に手がけていた設計事務所の打撃は大きく、所員が去年の半分とか2/3になったところが多くあるらしい。
夕方にN家に戻って一休みした後、テニス仲間のH子さんが合流して皆で食事に出かけた。スープのおいしい店に行きたいという僕の希望で、チェーン店の民間瓦缶煨湯館で食事をした。広東料理のスープはやっぱりおいしい。シンセンにいた頃も民間瓦缶煨湯館のようにスープを売りにしているお店に入って失敗したことがない。食後は同じくテニス仲間のS氏が仕事帰りに来てくれ、昨日に引き続きS氏を交えて夜中までおしゃべりをした。
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