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2009年11月

シンセン出張091103-高層ビルのデザイン?その2-

 シンセン出張中に「本社ビルのデザインを一週間でつくってみない?」という乱暴な話がふって沸いた。しかもある企業の社長に初対面の場で気軽に言われただけだ。お金もまず一銭ももらえないし、第一あやしい。そんなことは分かっている。また、コンペ提出準備の合間にやるなんて時間的にほとんど不可能。しかし、中国らしいこのハプニングになんだか乗ってみたい誘惑にかられる。

 さて、どうしたものか。悩むまでもない。1日2日で考えて、パース屋さんに絵をつくってもらうしかない。急いで知り合いの中国人設計者に電話でパース屋さんを紹介してもらう。夜中に考えて翌朝パース屋さんに出向く、そんなことを数日続けた。

 出張の主目的であるコンペの提出を無事に済ませ、出張最終日の今日だけはこの仕事にあてることができる。朝からパース屋さんで最終チェック&その他提出資料の準備に追われる。先方とはその日の18時に会う約束をしている。15時30分最終成果物がようやく完成。パース3枚とその他説明資料4枚の合計7枚のA1出力&パネル化をパース屋さんに教えてもらった印刷業者に依頼。後は待つしかない。印刷に結構時間がかかる。図面がきれいに出力できなかったが、やり直す時間はない。とにかく7枚のパネルを抱えてタクシーに乗り込む。

 2案のうちの片方を気に入ってくれたようだ。まあ、案だけつくって終わりということになりそうだが、覚悟の上取り組んだ。個人的にはちょっと面白いことをやってきたという満足感が少しある。「中国でこんなことやってきたよ。」と話のネタになればいい。

シンセン出張091102-コンペ提出-

 提出前夜に模型の間違いを発見するなど色々ハプニングはあったが、締切り15分前に無事に提出することができた。今回の指名コンペには僕ら以外にシンガポールとアメリカ、合計3社が参加している。模型を見るとシンガポールはシンガポールらしく、アメリカはアメリカらしいデザイン。僕らも日本らしいデザインと言うことができる。

 個人的には僕らの案が一番面白さくデザイン密度が高いように感じる。というより他の案が普通でちょっと期待はずれ。シンガポール案は低層部及び緑の使い方が少し面白いが、アメリカ案は単なるリゾートホテルのよう。これは模型を見ただけの感想ですが、さて結果はいかに。

プレゼンテーションでの反応を見ると、今までの中国とちょっと変わったなと感じた。「コスト高にはならないか」「屋根に雪がたまって大丈夫か」「それぞれの色が調和するのか」「大胆なデザインだ」などなど。やり過ぎのデザインで溢れる中国の街とは対照的な意見。ちょっと現実的というか保守的になったのではないかと思う。これは2008年の景気低迷を経験したからではないかと想像する。計画当初は我々の案は地味過ぎるのではと心配したのだが、見当違いだったかもしれない。以前中国でやったプロジェクトで7色のライトアップをやろうとしたのを止めたことなどをなつかしく思い出す。数年前から中国でも表層的なデザインは通用しなくなってきたことは認識していたが、社会が少しずつ落ち着いてきたということだろうか。

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