プロジェクトが1つ飛んだ、ショーック!
クライアントが工場建設のために検討していた土地購入を断念した。クライアントの判断は賢明だ。しかし、その理由がつらい。
それは、そのエリアの将来開発構想による。現在その場所に工場建設することには何の問題もない。用途地域は工業専用地域、つまり、工場のための敷地だ。しかし、港湾計画で交流厚生用地として将来臨港地区に指定する予定とのこと。指定されると用途規制がかかり工場建設ができなくなる。
港湾局と話をしたところ、「臨港地区指定するという予定がある土地だが、現在はまだ地区指定していないので行政側として何の規制もかける権限はない。」「いつ指定するかのタイムスケジュールもない」とのこと。行政は何の結論も言わない。責任回避の言説としか僕には感じられない。つまり、「今は工場作ってもいいが、将来は工場操業してはいけない地域に指定するかもしれませんよ!」ということだ。
土地の売主企業に行政と協議してもらうようにお願いしたが、事態は変わらず。原則港湾計画については10年に一度見直しをかける。このエリアに関して、年1回開催される港湾審議会の議題にあがるのは3年後くらいとのこと。1民間企業のために審議会を開くなんてことはできないということのようだ。
そんなリスクを冒して設備投資できる企業がどこにあるのだろうか。
ちなみに、道路を挟んだ向かいの敷地は元々の港湾計画では住宅開発用地だったが、大企業の工場進出計画に伴い港湾審議会で計画が変更され、現在は大規模工場が操業されている。このエリア一帯の当初の将来構想と180度変わった現在がある。「今さら、“交流厚生用地として臨港地区指定する”なんて現実的ではないんじゃない」というのが関係者の見方だが、売主企業としても「このあいまいな状態ではちょっと土地は売れない」と諦めている。
売主企業側も「それなら、行政側で土地を引き取って下さいよ」と迫るが、「それは、ちょっと・・・」そこは逃げる。売主企業は土地の固定資産税を払い続けている。
行政の役割って何だろう?
行政が本気でまちづくり(地区計画)を考えているとはとても思えない。この場所は○○用地、こっちは××用地、・・・と色分けすることが都市計画ではないと思うのだが・・・。
そんなことより仕事がなくなってしまった!! さーてうちの事務所どうしましょ?
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