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角屋(すみや)

  京都の中央卸売市場の近くにある角屋を見に出かけました。現在は「角屋もてなしの文化美術館」として一般公開されています。一定時間ごとに建物の説明を聞くことができます。二階は事前予約のうえ、別途800円が必要ですが、案内してくれた女性は弁士のように話が上手でとても良かったです。

 角屋は近世揚屋(あげや)建築唯一の遺構。1641年に現在の島原の地に移転し、拡張を重ねて1787年の増築後に現在の規模となる。「揚屋」とは、客を「饗すを業とする也」と定義され、現代の料亭にあたる。置屋(おきや)と呼ばれる店から太夫や芸妓を派遣してもらい客を歓待した。寺院の庫裏と同規模の台所を備える特徴をもつ。揚屋は当初小規模な建物で、一階を台所と住居が占め、二階を座敷としており、お客を二階に揚げることから「揚屋」と呼ばれるようになった。明治以降は「お茶屋」として1985年まで営業していた。島原の花街(かがい)は明治以降、立地の悪さにより徐々に衰退していったという。

 京町家の風情をもつ格子が連続したファサードが目を引く。これだけ長大な連続格子はあまり見たことが無い。端正で美しい。

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 当時の客は、現在閉められている門を抜けると、正面に角屋の家紋「蔓三つ蔦(つるみつつた)」を染めた暖簾をまず目にする。暖簾のかかる中戸口は奥の台所へと通じる従業員用玄関。客は右に折れて左奥の中庭の光に誘われるように玄関へと入る。右奥、中庭の向いが「網代の間」と称する座敷。絶妙な位置の中庭が光と陰のコントラストを際立たせる。中庭の点前を左へ進むと大座敷「松の間」へと通じる。庭には有名な臥龍松があり、当時は江戸からわざわざ見物に訪れる人がいたそうだ。残念ながらその松は枯れてしまい、現在は3本の松で形作っている。

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 部屋ごとに異なるテーマで設えた意匠が粋でこころにくい。二階「緞子(どんす)の間」は、襖が織物の緞子貼り。「翠簾(みす)の間」は、襖に翠簾が描かれている。天井に58枚の扇面が貼られた「扇の間」の華やかさは、圧巻。「馬の間」は、襖に円山応挙の「少年行の図」が描かれている。「青貝(あおがい)の間」の壁には、文字通り青貝が散りばめられている。また、遊び心が溢れる凝りに凝った障子のデザインが素晴らしい。横線と縦波線の桟で構成されて立体的に見える障子には特に驚く。その他引手や釘隠しの意匠も見逃せない。

 

建築名:角屋(すみや)

竣工年:1641

所在地:京都市下京区西新屋敷揚屋町32

入場料:1000円、二階は事前予約の上、別途800円

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