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浄土時浄土堂

目的地に近づくと、普通の町中の小高い丘の上に鎮座する浄土堂がさらっと現れる。山の中や周囲を樹木で覆われる境内を勝手にイメージしていたので不思議な景色に映った。

浄土寺浄土堂は鎌倉時代初期に重源(ちょうげん)上人により建てられた。宋代の技術を取り入れた大仏様(天竺様)と呼ばれる工法でつくられている。現存する大仏様建築としては、他に奈良東大寺の南大門があるのみ。

浄土堂は三間×三間の正方形平面をした、単層宝形屋根を持つ極めてシンプルな建物。屋根の反りもほとんどなく、軒先には鼻隠し板が付く。シンプルすぎて物足りない外観。貧相にさえ見える。特に遠くから眺めると今一つに感じる。日本人の美意識に合わず、普及しなかったのかもしれない。各立面に柱が4本しか現れず、しかもスパンが大きく飛んでいるということも外観の寂しさを助長する。実はこの大きなスパンが浄土寺浄土堂の最大の特徴と言える。一間が6m、これは一般的な寺院建築の約二倍。建物の中に入るとよりその特徴を感じることができる。

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大きい。こんなに広々として明るいお堂は経験したことがない。とても現代建築に近い空間だ。これだけの大空間に四天柱と呼ばれる柱が4本あるのみ。4本の柱はさすがに太い。この四天柱の存在感が内部空間を支配する。天井を張っていないので柱は屋根まで一直線に伸びる。四天柱の内側には、快慶作の高さ5.3mの阿弥陀三尊立像が安置されており、外側へは、三方へ三段、つまり一本の柱から九本もの虹梁(こうりょう)と呼ばれる梁が伸びる。力強いダイナミックな空間だ。しかも各材が朱色に塗られているため、より印象も強い。この朱色が内部空間の演出をより強烈にする。

西側一面は格子蔀戸となっており、夏至の頃の夕方に内部空間いっぱいに夕日が射し込む光景がよく知られている。夕日を背に浮かび上がる阿弥陀三尊様の来迎の姿は誰もが息を飲むという。残念ながら時期が合わず、そのお姿を拝むことはできなかった。しかし、床面に大きく射し込む格子模様の夕陽とその反射光が柱や梁や組物、そして阿弥陀三尊像を照らして美しい影とのコントラストをつくりだす光景を目にすることができた。

建築名:浄土寺浄土堂

竣工年:1197

所在地:兵庫県小野市浄谷町2094

拝観料:500

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