正倉院
想像していたより大きく圧倒的な存在感を発する建築物。直系60㎝の束柱40本で持ち上げられた高床式倉庫で、間口33m、奥行9.4m、総高14m、床下2.7m。北倉、中倉、南倉の3つの倉庫で構成され、本瓦葺き寄棟造の屋根で覆われた堂々たる姿をしている。軒の出は4mほどある。北倉と南倉は、三角材(校木)を井桁に組み上げた校倉造りで、中倉は正面と背面に厚い板をはめた板倉造り。見ることはできないが、内部は2階になっている。束柱の上に渡された台輪が1.8m外へ張り出しており、特徴的な意匠をつくっている。柱に巻いた鉄帯や、台輪の端部にかぶせた銅板は、後世の修理時に加えられたもの。
正倉院は1200年以上にわたって東大寺ゆかりの宝物を保管してきた。端正で力強い外観から、“宝物を保管する”ということだけをひたすら考えた当時の人たちの思いを感じる。迷いがない。この建物には地面から扉へアクセスする階段すら存在しない。
平日の10時から15時まで無料で一般公開している。少し離れた正面からだけしか見ることができないのがちょっと残念。
建築名:正倉院正倉
竣工年:8世紀(奈良時代)
所在地:奈良県奈良市
拝観料:無料
参照文献:正倉院パンフレット、日本建築の形Ⅰ/斎藤裕
« 庫裏内住宅のリノベーション | トップページ | Ca’d’Oro カ・ドーロ »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- Ca’d’Oro カ・ドーロ(2019.08.13)
- 正倉院(2018.06.20)
- 浄土時浄土堂(2015.11.06)
- 旧閑谷学校(2015.11.05)
「建築」カテゴリの記事
- 原美術館(2019.12.13)
- 正倉院(2018.06.20)
- 庫裏内住宅のリノベーション(2018.06.05)
- 京大立て看板強制撤去について(2018.05.14)
- 同済大学界隈(2018.04.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント