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2019年8月

Ca’d’Oro  カ・ドーロ

  ヴェネツィアで一番印象に残っている建物、カ・ドーロは大運河沿いに美しく上品にたたずむ。ヴェネツィアが繁栄を誇っていた15世紀に建てられたヴェネツィアン・ゴシックの好例。装飾に富んだビザンチンやイスラムの影響を示す。典型的なヴェネツィア邸宅は、三階建てが多く、敷地の節約のためであり、水面レベルの一階が、居住用には使えず、倉庫に用いるしかない。二階が主要階となるが、通例は、前側と後側の中央部に大きな窓を設けたグラン・サローネ(大広間)を設けて各室に採光している。

 1,2,3階のそれぞれ異なるアーチがファサードを印象付ける。特に2,3階の腰高の6連アーチは透かし彫りのようで本当に美しい。吹きさらしの1階及び2.3階バルコニーでは現代アートが展示されていた。非常に建物にマッチしており、イタリア人のセンスの良さに感服する。特に3階バルコニーのインスタレーションは素晴らしかった。Verhoeven Twinsによる“Moment of Happiness”という作品で、天井からガラスでできた泡の彫刻がいくつも吊るされていた。その泡には、美しい建物のアーチや運河の街の景色が映りこんでいる。美しい屋外階段とバルトロメオ・ボンによって装飾を施された井戸のある一階中庭空間も必見。

 カ・ドーロは元々行政官も務めたマリーノ・コンタリーニの邸宅で、当初は金箔で装飾されたファサードが輝いていたことから黄金宮殿(カ・ドーロ)と呼ばれた。1894年にアート・コレクターのGiorgio Franchettiが購入修復し、現在フランケティ美術館となっている。

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